- ストーリー
幻想郷のブンヤ、射命丸文。彼女にもブンヤの後輩としての小天狗たちがおり、いつもは新聞作りの裏方の仕事や雑用をしている。
その小天狗たちの間に「自分たちも写真を撮って記事を起こし、新聞を作りたい!」という機運がいつになく高まった。
上司である文にかけあったところ、
「まあ一回やってみるのもいいでしょう。どうせやるなら折角だからコンペ形式で。最低限の協力はしてあげます」
とあっさり許可がおりた。
文はこう考えていた。あの小天狗たちの実力ではたいした写真は撮れまい。しかし、負けず嫌い&イベント好きな幻想郷の住人たちのこと、自分の写真を使った新聞が他の誰かの写真が載った新聞にコンペで負ける、なんて話になったら黙っていないだろう。一時的に協力を取り付けられる可能性は高い。それをうまく利用できれば面白いことになるかも。
こうして、射命丸文主催での小天狗たちによる新聞コンペが開催されることになった。
- 概要
2人から5人でプレイするゲームです。
取材フェイズの間に写真を撮り、編集フェイズでそれらの写真を編集して新聞を作ります。
撮影困難な被写体を撮った写真が多いほど新聞の評価は高くなりやすく、最も評価の高い新聞を作ったプレイヤーが勝者となります。
- プレイ人数
2人から5人
- プレイに必要なもの
東方弾幕画報の全カード
8個以上の6面体ダイス
- 総カード枚数
被写体カード36枚
ヘルプカード18枚
- カード説明
{被写体カード}
左上枠内:「名前」
被写体の名前です。
右上円内:「レベル」
被写体としての難易度レベルです。
中段枠内:「イラスト」
被写体のイラストが描かれています。
中段下枠内:「撮影条件」
この被写体の撮影に成功するために必要な条件です。
下段枠内:「使用能力」
この被写体の撮影に成功している場合に利用できる能力です。
{ヘルプカード}
裏面の数字にはゲーム的な意味は特にありません。ヘルプカードは編集フェイズには使用しませんので、評価点を示すカウンターとしてご利用ください。
- 準備
以下の手順でゲームの準備をします。
- 確率的に公平な方法で席順と開始プレイヤーを決めます。
- 各プレイヤーにヘルプカードを配ります。
1番手:タップ状態を1枚
2番手:アンタップ状態を1枚
3番手:アンタップ状態を1枚、タップ状態を1枚
4番手:アンタップ状態を2枚
5番手:アンタップ状態を2枚、タップ状態を1枚
※タップ状態はカードが使用できない状態を意味し、カードを横長の向きで倒して場に置くことでそれを示します。
アンタップ状態はその逆で、カードが使用可能な状態を意味し、カードを縦長の向きで場に置くことでそれを示します。
- 全ての被写体カードを共通の場に配置します。レベル別&レベル順で見やすく並べるとプレイしやすいでしょう。
- ゲームの進行
このゲームの進行は大きく2つのフェイズに分かれます。
- 取材フェイズ
取材を行って被写体を絞り込み、写真を撮影します。
- 編集フェイズ
取材フェイズで撮った写真を編集して新聞を作ります。
以下で各フェイズについて説明します。
【取材フェイズ】
開始プレイヤーから順にターンが回ります。
各プレイヤーは自分のターンに以下の手順で行動します。
- 撮影回数決定
そのターンに自分が行う撮影の回数を決めます。
基本的には1回ですが、アンタップ状態のヘルプカードが2枚あるなら、それらを捨てることでそのターンの撮影回数を2回にできます。
ヘルプカードの枚数が十分にあっても1ターンの撮影回数は3回以上にはなりません。
- 撮影
共通の場にある被写体カードのレベルを1つ選びます。
このとき選べるのは最低レベルであるレベル3か、「いずれかのプレイヤーが最低1人撮影に成功している被写体のレベル」+1までです。
つまり、誰かが1人でもレベル3の撮影に成功していないとレベル4への撮影は行えません。
レベルを選んだら、そのレベルに等しい個数の6面体ダイスを振ります。
出目はヘルプカードや自分が撮影成功した被写体の能力を使って操作できます。ただし撮影成功した1人の被写体の能力は一度の撮影につき一回しか使えません。
操作をこれ以上行わない、もしくは行えない状態になったら出目が確定します。
最初に選んだレベルに該当する被写体のうち1人を選び、確定した出目がその被写体の撮影条件を満たしていれば撮影成功です。被写体カードを共通の場からあなたの場に移してください。他のプレイヤーはもうその被写体を撮影することはできません。
撮影条件を満たしていないなら撮影失敗です。この場合、射命丸文からもう少し手助けをしてもらえます。新たに一枚のヘルプカードを受け取ったうえであなたの手持ちのヘルプカードを全てアンタップ状態にできます。
- ターンの終了
1で決めた回数の撮影が終わったらそのプレイヤーのターンは終了です。
《ラストラウンド》
いずれかのプレイヤーがレベル8の被写体の撮影に成功した場合、ラストラウンドに突入します。
そのプレイヤーの次のターンが終わったら取材フェイズは終わりです。
このラストラウンドの間は撮影のルールが少し変わります。
通常は撮影の開始時にレベルを選び、出目が確定してから被写体を選べましたが、ラストラウンドの間は撮影の開始時にレベルと被写体を選ばなくてはなりません。
【編集フェイズ】
編集フェイズでのプレイの順番は、以下の優先順位で決まります。
1が同じなら2、2も同じなら3、というふうに適用していきます。
- 撮影に成功した被写体の数が多い順
- 撮影に成功したレベル8の被写体の数が多い順
- 撮影に成功したレベル7の被写体の数が多い順
- 撮影に成功したレベル6の被写体の数が多い順
- 撮影に成功したレベル5の被写体の数が多い順
- 撮影に成功したレベル4の被写体の数が多い順
- 撮影に成功したレベル3の被写体の数が多い順
- 開始手番が早かった順
各プレイヤーは以下の手順で編集を行い、それに応じた評価点を獲得します。
(1) まず新聞の一面(表側)についての編集を行います。
ダイスを8つ振り、撮影成功した被写体の能力を使って出目を操作します。
なお、編集フェイズではヘルプカードは使えません。
操作をこれ以上行わない、もしくは行えない状態になったら出目が確定します。
確定した出目にある同じ目の数の最大を評価点として得ます。
このとき、振ったダイス全てが同じ目になっていたらボーナスとして+1点を得ます。
例)12333335→3が5個あるので5点
22226666→2も6も4個だが4点
55555555→8個+1で9点
(2) 同様に、新聞の二面(裏側)についても編集を行い、評価点を獲得します。
この際、(1)ですでに使った被写体の能力は使うことができません。
- ゲームの終了
編集フェイズが終了し、全てのプレイヤーの評価点が決まったらゲームは終了です。
評価点が高い順に順位が決まります。同点の場合は編集フェイズでのプレイ順が早かったほうが勝ちになります。
- デザイナーより
今回のアイデアソースは「王への請願」です。
ダイスを振る行為には理屈抜きで楽しさがありますし、特殊能力でその出目を操作するのはまた別の楽しさがあります。
「東方弾幕画報」は「王への請願」の良さを伸ばし不満点を解消することを目指しました。
基本ルールとしての振り直しをなくすことでターンプレイヤー以外でも瞬間パズル(「これこれの特殊能力があって出目がこうなら…こうしてこうすればこいつは撮れる」)として楽しむことができるようになったのは自分でも予期せぬ効果でした。
題材は東方シリーズになりましたが、これは最初からそう考えて作られたわけではなく、多数のダイスを振ることからの弾幕の連想、多用な特殊能力を持つ多くのキャラがいる相性の良さなどから事後的に決まっていったものです。
話的には東方文花帖の後日談といった内容になっています。
皆様にお楽しみいただければこれに勝る喜びはありません。
※東方シリーズは上海アリス幻樂団様の著作物です。